The Japanese Society for Fall Prevention (JSFP)
一般社団法人日本転倒予防学会
代表理事挨拶

日本では、平均寿命の延伸と高齢人口の増加により、長寿社会を迎えています。高齢になっても自分らしく暮らし続けるためには、「転ばないこと」がとても大切です。転倒は骨折や頭部外傷につながるだけでなく、生活の自信を失わせ、活動の幅を狭めてしまいます。病院や施設での転倒は医療安全の重要な課題であり、働く場でも高齢の方が増えるにつれて転倒災害が深刻化しています。転倒予防は、医療だけでなく社会全体で向き合うべきテーマとなりました。
当学会は2004年に「転倒予防医学研究会」として歩みを始め、2014年に「日本転倒予防学会」として新たな一歩を踏み出しました。設立以来、「予防できる転倒」と「予防が困難な転倒」を峻別し、科学的根拠に基づく研究と実践を推進することを理念として活動してきました。学術集会、機関誌の発刊、転倒予防指導士の育成、転倒予防白書の改訂、転倒予防川柳の公募など、多職種の皆様とともに積み重ねてきた取り組みは、学会の大切な財産です。
当学会には、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、介護職、行政、産業界、地域の方々など、実に多様な職種が参加しています。そのため、学会では互いを“先生”ではなく“さん”で呼び合うことを大切にしています。肩書きや職種にとらわれず、誰もが対等に意見を交わし、学び合える場でありたい――この文化は、多職種連携・多分野協働が欠かせない転倒予防において、学会の大きな特徴であり強みです。
近年、転倒の背景はより複雑になっています。筋力やバランスの低下だけでなく、認知機能の揺らぎ、薬剤、住環境、行動のクセ、社会的な孤立など、さまざまな要因が重なり合います。病院では身体拘束をできる限り減らしながら安全を守る工夫が求められ、地域では運動、住環境、薬剤調整などを組み合わせた支援が必要です。
転倒予防のための各種センサー技術や、転倒時の衝撃を軽減する床材・環境整備の研究開発が進んでおり、これらの技術は今後さらに急速に発展すると期待されています。こうした技術の進歩は、転倒リスクの高い高齢者の安全を支えるだけでなく、医療・介護従事者の負担軽減にも寄与するものです。アジア諸国でも高齢化が進み、日本の経験が役立つ場面が増えています。
これからの日本では、90歳を超えて一人暮らしを続ける方も珍しくなくなるでしょう。転倒予防は、医療・介護にとどまらず、地域づくり、働く環境、都市設計、国際協力など、さまざまな領域とつながるテーマへと広がっています。当学会は、多職種・多分野が集まり、互いの知識や経験を持ち寄りながら、現場で役立つ実践を育てていく場であり続けたいと考えています。
健康寿命を伸ばし、安心して暮らせる社会をつくるために、皆様と力を合わせながら、これからも転倒予防の可能性を広げてまいります。今後とも、温かいご支援とご理解を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2026年10月吉日
日本転倒予防学会代表理事
萩野 浩
名誉会員・役員・代議員
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定款
定款施行細則
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